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思ったことについていろいろ

「A8-3870K」と「A75M-ITX」を買った

2012/04/15 文章を読みやすく修正、一部文章を追記

はじめに

約2週間前に、CPU(APU)「A8-3870K」とマザーボードA75M-ITX」を買いました。
久しぶりのAMD CPU。

「A8-3870K」はコードネームLlano(ラノ)と呼ばれているデスクトップ向けCPUで、CPUとGPUを一緒にしたVISIONシリーズの最高スペックモデル(4コア、クロック周波数3.0GHz)。CPUとGPUを一緒にしたということでAMDはAPUと呼んでいる。

「A75M-ITX」はLlanoに対応したチップセットA75採用Mini-ITXマザーボード。ASRock製。A75採用ということで、ネイティブでUSB3.0に対応している。


AMD APUは6月以降?に次の世代のコードネームTrinityが出ることを知っていたのですが、今欲しかったので、Llanoを買いました。

マザーについては、これまでIntel Sandy Bridge対応のMini-ITXマザーをASRock製「H67M-ITX」、GIGABYTE製「GA-H67N-USB3-B3」、ASUS製「P8H67-I」と3つ買ってきて、ASRock製が一番出来が良かった。そのため、ASRockにかなりいいイメージを持っていたので今回もASRockにしました。

また、TDP65Wの「A8-3820」が販売開始されたばかりの頃で、TDP65Wか100Wにするか悩んだのですが、ケースに余裕があるし、やはりCPUクロックは高い方が良い言うことで100Wの「A8-3870K」に。

「A8-3870K」箱の中身


「A75M-ITX」外観


外観。


USB3.0ネイティブ対応ということで、USB3.0端子は4つ搭載。


Socket FM1端子。




マザーの裏面。


CPUクーラーのリテンションはプッシュピンで止められている。

「Samuel 17」の取り付け方について

CPUクーラーは付属のリテールクーラーではなく、別売りの「Samuel 17」を使いました。Mini-ITXでは定番のCPUクーラー。
これまでの経験でAMDのリテールクーラーは静かではない印象があるので。


「Samuel 17」をAMDプラットフォームに取り付ける場合、マザーボードからリテンションを外す必要があります。
「A75M-ITX」の場合、リテンションはプッシュピンで固定されており、マザーの裏面からプッシュピンの真ん中をプラスドライバなどで押してあげることで、取り外すことが出来ます。

押す前。

押した後。

最後にだめ押しで、マイナスドライバーなどでさらに押し出す。


こんな感じになる。


最後に裏の突起をつまみつつ、表からロックが外れるまで引っ張り出す。(注意:完全には抜けません。無理に引っ張らないように)


取り外したリテンション


リテンションを取り外した状態。

「Samuel 17」取り付けた後




ぴったりです。メモリがあとちょっとでぶつかる絶妙な状態。
背の高いメモリは絶対に無理です。
今回の場合、ADATAの XPG Gaming Series「AX3U1600GC4G9-2G」を使用しています。
このメモリーぐらいのヒートスプレッダなら問題なく取り付けられます。

なお、「Samuel 17」を取り付ける前に、予めメモリーを取り付けておかないと駄目です。「Samuel 17」で覆われ、取り付け出来ません。

構成

以下の構成で組み込みました

CPU A8-3870K (4コア 3.0GHz)
マザーボード A75M-ITX
GPU Radeon HD 6550D (オンボード)
メモリ DDR3-1600 4GB x2 (ADATA XPG Gaming Series AX3U1600GC4G9-2G)
SSD(システムドライブ) Intel SSD 510シリーズ 128GB
HDD(データ関係) 東芝 MK3265GSX (2.5インチ 5400rpm 320GB)
ケース abee acubic T80
CPUクーラー Samuel 17Omega Typhoon 120mm CFZ-120L 1000rpm(スピード固定)
リアファン NANO TEK FAN 1000rpm (マザーによる回転制御 最小時 約575rpm)
電源 Seasonic SS-520GB(80 PLUS BRONZE 認証)
地デジチューナ BUFFALO DT-H70/U2(USB接続)
ディスプレイ ナナオ FORIS FS2332-BK (1920×1080 フルHD)
OS Windows 7 64bit

DVI端子によるディスプレイの接続について

「A75M-ITX」にはデジタル接続端子はHDMI端子のみでDVI端子がありません。自分はDVI端子で繋ぎたかったので、TFTEC JAPANから出ている変換プラグ DVI(メス)→HDMI(オス)「DVIB-HDMIAG」を買いました。

この変換プラグを使用することで、問題なくDVIでディスプレイに映すことが出来ました。

Windows 7でのエクスペリエンスインデックス値

消費電力について

上記構成での消費電力をワットチェッカーPlusで測定しました。
CPU温度はマザーボード付属ツール「ASRock eXtreme Tuner」を使用。
電力設定は「バランス」。
室温23度の環境にて。目視による測定なので参考程度に。内容は単に自分が知りたかった項目。

使用状況 消費電力(W) CPU温度 備考
起動時 最大98W - -
アイドル時 29W 31度 全くソフトを立ち上げていない状態で
Webブラウス(軽めのサイト) 31W〜45W 31度 -
Webブラウス(重いサイト) 50W 32度 Twitter.comなどJava scriptをふんだんに使用したサイトにて
youtube 1080p 43〜51W 35度 ぎおん柏崎まつり海の大花火大会 尺玉300連発 HD - YouTube」を1080pに設定し視聴。ちなみに他の動画でも大体同じ傾向
BD 視聴 40〜44W 35度 Power DVD 9 使用 ※外付けドライブを使用のため、ドライブの消費電力は含まれていません
地デジ視聴 37〜40W 33度 BUFFALO DT-H70/U2(USB接続)にて
DiXiM Digital TVで地デジ視聴 46W〜56W 39度 別のPCからDTCP-IP配信されている動画を視聴
STREET FIGHTER IV Benchmark 51〜73W 41度 デフォルト設定でフルスクリーン(ちなみに結果はA。なめらかに動く。オンボードで「スト4」が問題なく動く時代がやってきた。)
OCCT:CPU 9分 107W 64度 OCCTによる負荷テスト。時間の都合上9分
OCCT:Power Suppry 9分 最大183W 55度 時間の都合上9分


買う前にいろいろWebで調べたのですが、実際組んでみて、噂通りアイドル時の消費電力は低いです。素晴らしい。
上の環境でCPUとマザーが「Core i5 2400S」+「H67M-ITX」だった時はアイドル31WだったのでintelSandy Bridgeと同等の優秀さ。
SSD+2.5インチHDDを使っているので、結構低い値を出すことが出来ています。

CPUの印象

以前、「Phenom X3 8650(TDP 95W)」、「Phenom II X3 720 BE(TDP 95W)」などを使ってきて、正直AMDのCPUはかなり熱を出す印象を持っていたのですが、今回の「A8-3870K(TDP 100W)」は全然熱が出ない。
TDP100Wとあり、凄そうなイメージがありますが、普通使う分には全然熱くならない。テキスト書きやWebサイトを見る、音楽を聴くぐらいの作業ならCPU温度は32〜35度程度です。
GPUを内蔵しているためTDPが高めなのであって、昔と比べかなり扱いやすいです。
※CPUクーラーに「Samuel 17」を使っているのもあるかも知れませんが...

CPUクロックについて

Cool‘n’Quiet機能により、クロックが負荷に応じ動的に変わりますが、「A8-3870K」の場合、以下の8段階をもっています。

クロック CPU%設定
3000MHz 100%
2700MHz 89%
2400MHz 80%
2100MHz 69%
1900MHz 63%
1500MHz 50%
1200MHz 40%
800MHz 26%

アイドル時は800MHzまで下がるのですが、正直800MHzまで下がると動作がちょっとカクつくことがあります。

負荷に応じてクロック数を変えられるCPUの場合、Windows 7では、電源オプションの「プラン設定の編集」から「詳細な電源設定の変更」を開き、「プロセッサの電力管理」内の「最小のプロセッサの状態」、「最大のプロセッサの状態」を変更することで最小と最大時のクロック数を制御出来ます。

設定は%(パーセント)指定となっており、たとえば、「A8-3870K」の場合、上記の表で示したように、最小時に40%、最大時80%を指定すれば、最低1200MHz、最大2400MHzで動作するようになります。


この設定が簡単にできるように、グラフィックドライバを入れた際にインストールされる「AMD VISION Engine Control Center」では「電力」の「CPU電源」にて、バーの操作により簡単に調整できるようになっています。

このコントロールで設定をすると、電源オプションにも設定が反映される。


ちなみに最低クロックを最大と同じ3000MHzにした場合、アイドル時消費電力29W〜30Wとなった。800MHzで29Wだったのでほとんど変わらない。パワーゲーティング採用のおかげが、かなり優秀な結果。
以下のサイトにて、A8-3850(4コア 2.9GHz)のレビューがあり、Cool‘n’Quiet無効の場合でのアイドル時はほとんど有効時と変わらないとあるので、Llanoの場合、最小のクロックをあげてもアイドル時の消費電力はほとんど変わらないようだ。
参考:4Gamer.net ― デスクトップPC向けLlano「A8-3850」レビュー,CPUコア編:基本性能は従来製品とほとんど変わらないが,面白い特性も

個人的には,アイドル時に,CnQの有効無効に関わらず,A8-3850の消費電力がほとんど変わらなかった点に少々驚かされた。「AMD System Monitor」から確認すると,CnQ有効時のA8-3850はアイドル時にCPUクロックを800MHzにまで下げているので,違いが出てもよさそうなのだが,そうなっていないのは不思議である。
 A-Seriesの場合,パワーゲーティングをフルに使った省電力設計になっているとのことなので,そのあたりの成果が出ているのかもしれない。

パフォーマンス重視の方は最低クロックをあげてもいいかもしれない。

感想

CPUについて、Radeon HD 6450を大きく超えるオンボードとしては比較的強力なGPUを内蔵しながら、アイドル時29Wはなかなか。これがLlanoの最大の長所だと思う。
また、Mini-ITXの場合、貴重なPCI Expressスロットをグラフィックカードに使わずに済むので、Mini-ITXにぴったり。
CPUパフォーマンスはやはりintelSandy Bridgeと比べると劣ります。自分はCore i5 2400S(4コア 2.5GHz)を使ったことがありますが、正直重い処理では体感で分かるほど劣っています。
逆にGPUは素晴らしいです。オンボードでここまでの能力を持っているのはうれしい。あのエントリーレベルでも結構熱を出すグラフィックカードを挿さずに済むのは本当に素晴らしい。
また、個人的にはグラフィックの性能より、動画再生支援機能UVDが搭載されているのがポイント高い。DVDやBD、Flashビデオが補正により、きれいに表示されます。このLlanoの場合、最新のUVD3.0が搭載されている。


マザーボードについても、約2週間使っていて、今のところ問題ありません。
次買うときもASRock製にすると思う。

おすすめです。

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更新履歴

2012/03/27 文章など読みやすいように修正